緊急声明

【声明】オーストラリア潜水艦商戦での日本の落選を歓迎し、すべての武器輸出の中止を求めます

ターンブル豪首相は4月26日、オーストラリアの次期潜水艦計画で、フランスの軍需大手DCNSを共同開発相手に決めたと発表しました。これにより、官民連合でそうりゅう型潜水艦を売り込んできた日本は落選しました。昨年末のNAJAT発足以来、日本の潜水艦輸出を止めるために活動してきた立場から、まずはこの結果を歓迎します。

「官邸が押し込んできた」(海上自衛隊幹部)と言われるほどに、安倍政権が前のめりに進めてきた「死の商人国家」への目論見は、いったん挫折しました。もし受注に成功していれば、日本の武器輸出に大きなはずみがつき、日本版「軍産学複合体」の形成が加速したことは明らかです。豪州のNGOからも「日本から潜水艦を調達することは、日本が長年守ってきた武器輸出禁止の原則を破り、新たな軍産複合体の台頭を助長しかねません」(戦争防止医療従事者協会)と危惧の声が上がっていました。さらに、中国やロシアに対抗するとして日米豪の軍事同盟が強化され、アジア太平洋地域の軍拡競争に拍車がかかり、緊張が高まったことでしょう。今回の日本落選は、こうした負の連鎖を止めるという意味でも、大きな意義があると考えます。

一方で、豪州政府による潜水艦の増強も大きな問題です。豪州の平和活動家からは、「(教育や医療など)社会的なニーズを無視する一方で、考えられないほどの浪費だ」「なんと歪んだ優先順位か」(デニス・ドーハティさん)との声が届いていました。軍事費の削減と暮らしのための予算拡大は、豪州のみならず、日本や中国などにとっても共通の課題です。太平洋を軍拡競争の悪循環から救い出し、信頼醸成と平和メカニズムの構築により、平和の海へと変えなければいけません。

安倍政権は2014年4月1日、「国是」とされ衆参両院の国会決議により補強された武器輸出三原則を、閣議決定のみで撤廃しました。武器輸出は事実上の憲法9条改悪でもあります。昨年10月1日に発足させた防衛装備庁のもとで、国会と主権者を無視して武器輸出に邁進してきたこと自体が根本的に問い直されるべきです。

今回の落選をめぐって、一部のマスコミからは、「武器輸出の司令塔作りを急げ」「経産省など全省庁と企業を巻き込んだ「オールジャパン」の態勢で臨め」などの声が上がっています。しかし、「オールジャパン」と言うなら、武器輸出に反対する多数派市民の声こそを反映させるべきです。
私たちは日本政府に対して、日英ミサイル共同研究や日米「ミサイル防衛」共同開発など、すべての武器輸出を中止するよう求めます。「世界に紛争当事国は存在しない」と公言する安倍政権のもとでは、このまま放っておけば日本製の武器が他国の人々を殺傷するのは必至です。市民の力で「死のセールスマン」と化した安倍政権を退場させ、武器輸出三原則の復活と強化を実現する政府をつくりましょう。世界の武器輸出をやめさせることこそ、憲法9条を持つ日本の役割です。

私たちはまた、軍備増強に反対する豪州市民との連携を強めることに加えて、フランス市民に対しても自国の武器輸出に反対することを呼びかけたいと思います。そして、「Made in Japan」を平和産業の代名詞にするために、国境を超えた市民のネットワークによって死の商人を包囲するために、引き続き力を尽くしていきます。

2016年4月29日
武器輸出反対ネットワーク(NAJAT)

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